短期記憶や長期記憶は、馴染みのある単語だと思います。
しかし、即時記憶、近時記憶、遠隔記憶というものがあることをご存じでしょうか。

短期記憶と即時記憶って同じものじゃないの?
ノー君の認識は、大まかにいえば間違っていません。
即時記憶は短期記憶に含まれ、近時記憶と遠隔記憶は長期記憶に含まれます。
ただ、厳密には、短期記憶・長期記憶と、即時記憶・近時記憶・遠隔記憶では、定義が異なるのです。
即時記憶・近時記憶・遠隔記憶の解説及び、短期記憶・長期記憶との違いについて見ていきましょう!
即時記憶・近時記憶・遠隔記憶
即時記憶・近時記憶・遠隔記憶は、臨床神経学で用いられる用語です。
即時記憶
即時記憶は、出来事の記銘後すぐに想起させる記憶。
想起までの間に干渉を挟みません。保持される情報が常に意識に上っているという特徴をもちます。

覚えたことをノータイムで思い出すのが即時記憶か~。
保持時間は、せいぜい数十秒です。
近時記憶
即時記憶より保持時間の長い記憶。
記銘後ある程度の時間が経過してから想起させるため、他の認知作業の干渉を受けます。
保持情報がいったん意識上から消えるという特徴をもちます。
遠隔記憶
近時記憶よりもさらに保持時間の長い記憶。
近時記憶と同様に、他の認知作業の干渉を受けるため、保持情報はいったん意識上から消えます。
遠隔記憶は何度も繰り返し思い出しているような記憶で壊れにくく、数カ月から何十年にもわたる記憶です。
短期記憶・長期記憶との相違点
短期記憶・長期記憶と、即時記憶・近時記憶・遠隔記憶の違いは以下の2点です。
用語を使用する学問領域が異なる
短期記憶・長期記憶:認知心理学で用いられる語句
即時記憶・近時記憶・遠隔記憶:臨床神経学で用いられる語句
干渉の有無について
短期記憶・長期記憶:干渉の有無は関係ない。
即時記憶・近時記憶・遠隔記憶:干渉の有無が問題になる。
即時記憶は、干渉ナシ。近時記憶・遠隔記憶は干渉アリ。
まとめ
即時記憶は短期記憶に含まれ、近時記憶と遠隔記憶は長期記憶に含まれる。
短期記憶・長期記憶は、認知心理学で使われる用語。
即時記憶・近時記憶・遠隔記憶は、臨床神経学で使われる用語。
短期記憶・長期記憶は、干渉の有無に関係なく保持時間によって分類されている。
即時記憶は、記銘から想起までの間に干渉がないものを言い、保持情報が常に意識上に上っている。
近時記憶・遠隔記憶は、記銘から想起までの間に干渉があるものを言い、保持情報がいったん意識上から消える。