愛情と性欲の決定的な違い

心理学記事

恋人への想い。それは本当に”愛”でしょうか?

それともただの”欲望”でしょうか?

今回は愛情と性欲の違いを深堀していきます。

行動面での違い

対象の特異性

愛情は、「この人とだけ深くつながりたい」という特定の相手への執着

性欲は、「誰でもいいから性行為をしたい」という相手が不特定の衝動

持続性

愛情は、長期的で安定しやすい

性欲は、一時的で変動しやすい

ノー君
ノー君

一瞬で冷めた恋は、性欲によるものだったのかもね。

行動の動機

愛情は、相手の幸福・関係の維持を重視。

性欲は、快楽の獲得が目的であり、自己中心的

 

脳は「愛」と「性欲」を別物として処理している

Fisherら(2006)の研究では、恋愛中の被験者に恋人の写真を見せながらfMRIスキャンを行い、脳の活動を調査。その結果、愛情に関連する活動部位と性欲に関連する部位が異なることが明らかになりました。

▼愛情

活性化される脳領域機能的特徴
腹側被蓋野(VTA)ドーパミンの生成源。快感、動機付けを司る。
側坐核報酬予測、親密関係の強化に関与
尾状核習慣化、長期的愛着に関与
前頭前野意思決定、感情制御、相手の価値評価に関与
前帯状皮質共感、情緒的な痛みの処理
後部帯状回自己と他者の視点統合、情緒記憶
海馬関係性にまつわる記憶の統合
扁桃体情動処理(ただし恋愛中は活動が抑制される傾向アリ)

▼性欲

活性化される脳領域機能的特徴
視床下部性腺刺激ホルモン分泌、性的動機の中枢
下垂体性腺刺激ホルモン分泌
扁桃体性的刺激への感情反応、性的記憶
島皮質身体感覚と快楽の処理
側坐核快楽予測、性的動機付けへの関与
小脳身体的協調運動(性行為時の動作調整)
視覚皮質視覚刺激(エッチな画像など)に対する反応

 

愛か欲かを見極める3つのクエスチョン

  1. その人がいないときでも、その人のことを想える?
  2. 身体的魅力以外にどこに惹かれているか言える?
  3. ”性”がなくても関係を続けたい?

これらにYESと答えられるほど、あなたの気持ちは”愛”に近いかもしれません。

 

参考文献

  • Fisher, H. E., Aron, A., & Brown, L. L. (2006). Romantic love: An fMRI study of a neural mechanism for mate choice. Psychological Science
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